かんにんしてぇ屋

教育と福祉の活動をしていた大学生が卒業し、今度は健康について活動し始めました!

塾講師を始めたら教育業界のウラ側が見えた話〜part.3〜

 
なんとパート3入っちゃいました。
というかまだ塾講師1日目までしか経過してないし。笑
現時点で4000文字。400字の原稿用紙5枚の読書感想文を「忘れてきました」で通し続けた僕だとは到底思えない。。笑
 
ではつづき、いっちゃいます。
 
今回は『事件勃発』編です。
 
 
初めての塾講師を経験してから4日後。
塾講師2度目が訪れた。まだ教えることに慣れてはいないが、前回で一通り経験したため授業の流れは理解できていた。
 
前回の主な反省点は
・生徒2人しか対応していなかったのに、時間配分が上手くいっていなかった。
・どのテキストの何ページから解いて欲しいのかの説明が抽象的すぎてスムーズに説明出来ていなかった。
・生徒が問題に手古摺っていて明らか動きが止まっていたのに、すぐに気付けなかった。
・生徒との信頼関係を築きたいがためにコミュニケーションをとりすぎて、生徒が問題を解くことに集中出来ていなかった。
その他にも細かい反省点がいくつかあったが、大きくはこの4つ。改善点を用意し、2度目の授業に臨んだ。
 
今日は3人の生徒を受け持つことになった。「この前2人でバタバタだったのに、3人って時間配分追いつかなさそうだ…」と察知し、事前に対策を考えた。まず始めた対策は、入り時間を早めたこと。多めに見積もって30分前に教室に到着し、書かないといけない書類や事務的な作業を先に済ませ、余裕を作っておいた。これで3人の生徒に集中して対応出来るし、余裕があることによって、事前に3人それぞれをどういう風に進めていこうか構想をゆっくり練ることが出来る。
 
前回よりとっても余裕がある中で、3人の生徒がやってきて、授業が始まった。その中の1人に、前回にも受け持った"高梨くん"がいた。そう。塾長が問題児扱いした生徒だ。(塾長は決して性格の悪い人ではない。あくまでも僕の解釈の問題である。そう。あくまで僕の受け取ったイメージの話なのだ。。)
 
この前の授業では、そこまで高梨くんへの対応に困らないのではと思っていた。しかし、この日の授業を通じて、確かに、高梨くんは他の生徒より少し対応がやっかいだと感じた。その理由は、コミュニケーションをとる機会が少ないところからきている。高梨くんは、教室に入ってきてから授業が始まるまでの時間や、休憩時間など、僕が1番余裕があってコミュニケーションをとりたい時に、必ずと言っていいほど携帯ゲーム機でゲームをしている。テニスか野球のソフトでゲームをしている。部活もテニスでゲームでもテニスをしているので、余程テニスが好きなんだなぁと思いつつ、、、会話が出来ない。仲良くなれず、高梨くんから信頼を得ることが難しい。というか現時点で僕に対する信頼は正直ゼロだ。
 
ただ、そんな高梨くんでも僕に話しかけてきてくれるタイミングがある。授業中だ。「ここから解いてみてね!」と言うと、そこからは僕に話しかけるモードに切り替わる。
 
ここからも分かる通り、高梨くんは勉強はしたくない!!というオーラがだだ漏れなのだ。そして、高梨くんは賢いと思う。どうすれば勉強しなくて済むのか、どうすれば嫌なものから1番逃れられるのかを知っている。授業中あまり問題を解かなかったら、宿題の範囲を減らしてもらえるという事を知っている。そして、出した宿題は間違っていたとしても「やってきた」うちに入ることを知っている。なので、あまり分かっていないままテキトーに解いても何も咎められないことを分かった上で、行動に移しているのだ。授業の始めには、必ず確認テストをして貰うのだが、その問題が間違っていて問題の解き直しになったとしても、それが授業時間を押すことになり、新しい問題を解く時間も減るので、結果宿題の量も減り、トータルで問題を解く量が減るという作戦をとっているのだ。しかも、これをし続けると自分に返ってくるという事を分かっていながらである。今自分がどういう状況で、何をしなければいけないのか分かっている上で、「勉強拒否」を選択しているのだ。僕の中学生の頃よりも非常に賢いと思う。
 
ただ、子供っぽいとも思う。
要は逃げているのだ。
 
逃げておけばなんとかなるとは思ってはいないだろうが、今ある状況から逃げたいという気持ちが強いのだ。
 
その原因となっているのが、母親だと判明した。2度目にして心を少し打ち解けてくれたのか、母親に対する愚痴を二、三こぼしたのである。
 
「いきなり塾なんか入らされて、勉強しなさいって言われ続けてるのと一緒。まぁ自分の部屋で勉強してるように見せたら何も言わなくなるからいいけど。」
「学校行事とかどうでもいい。して欲しくも無いのにお金かけて馬鹿じゃん。生産性無いし。でも出ろって言われるから行くけど。面白くない。」
 
これ、どちらも共通してるのが、親は「こうしなさい」と命令するだけして、理由や高梨くんのためにあるという事を伝えていないということ。
 
勉強は大事だからしなくちゃいけない。行事は楽しいから参加すればいい。
 
こんな理由で、子供は納得するだろうか?僕ならしない。「じゃあ俺は大事だと思わないから勉強しない」と逃げるだろう。この状態になっているのが高梨くんだと感じた。
 
しかし、だからと言って親御さんと触れ合う機会なんて1度も無い。塾長と親御さんが話をすることはあっても、講師との交流なんてまず無いだろう。
 
唯一交流が出来るのが、授業終わりに生徒に毎回渡す"連絡シート"。生徒がどんな様子で授業に取り組んでいたかを講師が記しておき、必ず親御さんに見せてハンコをもらうシステムになっている。ただ、ハンコは押されていても、内容をきちんと把握している親御さんは少ないかもしれない。
 
何故なら、親御さんが自分のお子さんのことを他人任せしている部分があるから。
 
それが悪いというわけではないと思っている。
ただ、お子さんの意思を聞かずに無理やり塾に通わされ、「子供のため」と言いつつ本当は「自分が周りの人から変に思われないようにするため」という理由があることに問題があるように感じる。それで塾が自分の子供の成績を上げてくれなかったら「何してくれてるのよ!!」となる。
 
なにかおかしくないですか?
 
子供に自分の価値観を押し付けてどうするんだ。どうにもならないし、お子さんがかわいそう。勝手に未来を決めつけられるんだから。
 
塾生が帰ってから、少し塾長さんと話をしたが、塾長さんも話が通じにくい。何故なら、お金が絡んでくるから。塾長は大体が経営者を兼ねている。なのでお金を払ってくれる親御さんのワガママに応えるサービスになりがちな塾が多いということに気付いた。
これは問題だ。
塾長さんとは軽くケンカになったが、何のために塾をしているのかの点を塾長さんに意識してもらう機会になったのではないかと思う。
 
軽いケンカの末、高梨くんのことは僕が大体引き受けることになった。
ここからが本当の意味でのスタートだったと思う。
 
 
…今回も長い!
なのでまだ続きます!笑
続編をお楽しみにヽ(´▽`)/