かんにんしてぇ屋

教育と福祉の活動をしていた大学生が卒業し、今度は健康について活動し始めました!

塾講師を始めたら教育業界のウラ側が見えた話〜part.2〜

前回のつづきから。
題して『初授業編』。

初めての塾講師アルバイトの日。
ドキドキそわそわしながら塾へ向かった。

この日受け持つ生徒は2人。少人数制の塾で、普通は講師1人につき4人の生徒を受け持つことが多いそう。何もかも初めてなのだから、受け持つ生徒数が少ないのは当たり前なのだが、通常の半分の人数ということに多少不服はあった。でもその分生徒と密にコミュニケーションがとれるとプラスに考えた。

授業が始まる30分前から準備をし、塾長から注意事項を教えて貰った。今日持つ生徒は中3の男の子と中2の女の子。こういう特徴の子だよといった話は全然無かったのだが、最後にある一言を言われて僕の表情が一変した。

「この男の子はやる気がまるでなくて、少し困ってはいるんだよね。」


それって遠回しに "The 問題児" って言ってませんか?!塾長?!しかも対策言ってくれない!全部任せたぜって事か?!無責任かよぉ。。

しかも初めて塾講師になる僕に、「塾長が困っている子」を受け持たせるなんて、なんというか鬼畜です!

とまぁ色々な感情がこみ上げながらも、爽やかな笑顔で「わっかりましたぁっ!」と返事をした。

そこからが大変。あと15分ほどで書類の記入やらどこを教えるやら、そして男の子とどう接するかやらを必死に考えないといけなくなった。

75分×2コマ分の指導方法をノートに箇条書きしたは良いものの、生徒の前でそう簡単にノートを広げることは出来ない。なにせ殴り書きしてあるため、生徒に見られると信用を失いかねない情報となっている。

「こんばんは〜」
「はい こんばんは〜!」
生徒がやって来た。

見返していたノートを途端に閉じて、蔓延の笑みで挨拶。塾長が「今日は初めての先生やね、かんにん先生!」と生徒を席に誘導し、「初めまして〜。かんにんです!よろしくね^ ^」と、さっきまでの鬼の形相はどこにいったのやらと思うほどの爽やかさで対応し、ついに授業が始まることとなった。

<現情報> (※偽名やウソの情報混じり)
・高梨くん
中3男子。テニス部所属。F1が大好き。勉強と親が大嫌い。

四葉さん
中2女子。バドミントン部所属。数学と理科が苦手。

この日は数学を受け持った。
授業を始めて真っ先に感じたのは、距離感が離れすぎててツラい!そりゃあそのはず。初対面でいきなり勉強を教わるんだから。なんとか距離を縮めようと世間話を交えると、まるで勉強しない。持っていたペンを置いてペラペラ話しちゃう。

塾だって時間が限られていて、その中で出来るだけ勉強するモチベーションを高めないと、お家での自主勉強が厳かになってしまう。それを防ぐためにも、教えられる人がいる環境でいられる時間を最大限に活かして欲しい。要するに出来るだけ問題を解いて欲しい!なので、講師はそれぞれの生徒が問題を解きやすい環境を探って、創造していかなければならない。

…さすがに1日ではキツいでしょ。笑

でも、今日のうちに情報はゲットしておいて、次回に生かさないといけない。ひたすら行動パターンや性格を探りに探って、メモしまくった。

すると、時間がなくなった…(焦)

次回までにやってくる宿題や、やってきた宿題が理解出来たか確認するための小テストを次回のはじめに行うのでその範囲を、生徒に伝えてサヨナラしないといけない。生徒は授業が終わったらとっとと帰って別のことをしたいものだ(幼少期の経験談)。帰るのが遅くなるとイライラしてくるだろうから、殴り書きで連絡事項をメモして生徒に渡し、満面の笑みで見送った。

その後もまだまだ作業はつづく。
まずは、次回自分が休んでしまった時に他の講師がスムーズに授業が行えるように、宿題や次回どこをやって貰うかなどメモしておく。そして勤務時間の記入など個人的な雑記を済ませる。

最後に、今日の反省。生徒が完全に居なくなり、他の講師も帰られて、塾長と2人きりになっての反省会となった。

塾長が、「どうでしたか?」と聞くモードになったので、「全然ですね。〜〜〜という感じでした。」とダメダメな状況をアピール。

すると、「まぁ今日は初めてだったもんね」と慰めてもらったかと思うと、そこからダメ出しのオンパレード。1つや2つのダメ出しではない。メンタルはズタボロだ。真っ当なことをおっしゃっているため反論なんて出来やしない。

ただ、1つ気になる発言があった。

「こうすると親御さんが『塾辞めます』と言いかねないからね。」

…ん?

…塾って親御さんのためにあるの?
僕の頭の中にはいくつもの疑問が生まれた。

確かに、お金を出すのは親御さんなので、親御さんからなにか要望があれば受けるべきである。それは間違っていないと思う。

ただ、親御さんの考えや行動が子どもにとって良くない時に、ちゃんと伝えられているかがとても気になった。

あくまでも主役は母親ではない。子どもなのである。

塾に通わせようとする母親は「自分の子をもっと勉強させよう」とする理由で通わせようとしている傾向にあると思う。いい高校や大学に通わせたいと。

でも、現代では学歴なんてあまり関係なくなっている。個人の性格や実力で判断されることの方が多くなっている。もう学歴社会ではないのだ。

ただただ「勉強しろ!」と口酸っぱく言われても、子どもは反抗したりと逆効果だったりするのだが、このまま塾に通わせても「勉強しろ!」と言われているのと同じ効果になってしまうのである。塾がさらに逆効果を生んで"何でも反抗する性格"を作り上げてしまう恐れがあることを親御さんは理解しているのか?

理解されていない親御さんも多い気がする。そして塾側も伝えられていないような気がする。教育しているはずなのに、正しい教育がなされていないのではないか。

正直、初めての授業をして、もうアルバイトを辞めたいと思った。内部を変えているのには半年のアルバイト期間だと無理があるからだ。

でも非常に悔しい。
なんとか子どものためになりたい。

教育に対する知識が全然無い自分が携わることで、もっと逆効果を生んでしまうかもしれないのだが、でも変革を起こさないとなにも変わらない。親御さんも子どもも塾も変わらない。

なんとか良い世の中にしていきたい。

とただのアルバイト生が感じた初めての授業でした。

….ここまでで約2500字。
また長いな。笑
すみません。笑

またまたつづく。


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